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皆さまにこの禅語をご紹介しましょう。
水もてで掬えば、空の月がその手のひらの中に映っている。野の花を摘めば、その花の香りが衣服に満ちあふれる。掬と弄、水と花、月と香、在と満、手と衣。しかし、ここで一番の眼目は「掬する」と「弄する」という二つの行為です。つまり、水を掬すればこそ月が手に入り、花を弄すればこそ香りが満ちるのです。ただぼんやりしていたのでは何の結果も得られません。なにか行動を起こすことではじめて結果が得られるわけですから、何事も拱手傍観はいけないということです。
そしてもう一つ大切なことは、月や花に心を寄せる、その自然を愛する心情です。水を手で掬い、花を摘むということは、自然と一体となることです。手の中の月を観賞する心の余裕、衣に満ちた花の香りを味わう繊細な感性、そういうものを私たちはいつまでも大事にしたいものです。内面からの美しさも自然と出てくるものなのです。ゆっくりと自然の中に身をおき、花をめでる。そうすると私たちの考えている時間も空間も、肌の色も国境も、いったい何だろうと思います。一度、大いなる樹木や可憐な花の意に従って、一体となって、花の美しさをたっぷり味わい、すがすがしい気持ちで背をぴんとのばして歩みたいものです。 |
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合 掌 |
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プロフィール 有馬頼底(ありまらいてい)老師(大龍窟)
昭和63年 京都佛教会理事長に就任現在に至る
平成7年 臨済宗相國寺派7代管長(相國寺132世)に就任
同時に鹿苑寺(金閣寺)・慈照寺(銀閣寺)の住職も兼ねる
同 9年 管長就任につき晋山開堂式典を修復落慶の成った法堂で挙行
現在社会福祉活動の推進や、京都の景観問題に取り組んでおり、また年間数度の訪中を重ね中国禅宗遺跡の復興に努力している。中世墨蹟絵画美術工芸には造詣が深く、多忙な日をぬって執筆活動を続け、本山教学部長の頃より禅宗歴史美術を通じ、本派寺院檀信徒のみならず広く一般に布教活動をしている。
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エルビュー社長冨宅孝子が日本の美をよりすぐって毎回ご紹介します。
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