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冨宅:一色染めでこまやかな紋様が美しい江戸小紋ですが、その起源や歴史を教えていただけますか。
小宮:江戸小紋という名称は祖父・小宮康助が、昭和30年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された際に、ほかの小紋染めと区別するためにできた名称です。
 小紋染めの起源は古く、平安時代のころからあったともされ、桃山時代には豊臣秀吉、徳川家康にも珍重されていました。そして江戸時代に、武士の礼装である裃の「定め小紋」として発達。中期には、「さるかに合戦」や「大根におろし金」など町人の遊び心を反映した紋様も登場し、大流行しました。
冨宅:江戸時代、奢侈禁止令により無地に見える小紋が発達したとも聞かれますが。
小宮:確かに単色の物をまとっていたようですが、そうした制限のなかで、繊細な紋様で粋を競ったのは、海外にはない日本人ならではの感覚でしょう。
冨宅:上品でおしゃれな作品ばかりですが、柄はどのようにお考えになるのですか。
小宮:基本は江戸時代の型紙を複刻して使います。当時つくりあげた技術に、昨今の技法や素材を用いて、現代に通用する作品に仕上げます。細かい柄が200種類ほどあります。
冨宅:実際に作品が出来る工程を教えていただけますか。
小宮:まず板に生地を貼り、生地の上に型紙を置き、穴の部分に糊を入れて、染まらない部分を作ってきます。これは型付けという作業ですが、型紙の送りは20~30cmなので、一反(12~13m)を染めるために数十回同じ作業を行います。型紙には余分に彫られている星があり、そこに重ねていくと紋様が繋がるようになっています。これが少しでもズレると線ができてしまうので、難しい工程です。
そして染料を混ぜた色糊を均一に載せていき、蒸し上げて、水で洗うと、防染をした部分が白い紋様となるわけです。
冨宅:想像以上に手間暇をかけて作られ、集中力も必要なのですね。型を付けるのに、どのくらいかかるのですか。
小宮:糊を置くのに一反を1日です。父は1日6反つけたと自慢しておりました。もたもたしているようではまともな仕事はできません。
冨宅:お祖父様、お父様に続いて、今年9月に人間国宝に選ばれ、同じ分野で三代続いて認定されるのは史上初と伺っています。今後、先生の役割は、どのようにお考えですか。
小宮:初代の康助が作り上げてきた江戸小紋の技を、次の世代につなげることです。時の流れで、材料が手に入らなくなったり、質が変わったりすることもありますが、改良を重ねながら、現代の人にも愛される伝統を継承するのが大事だと考えています。
冨宅:型紙の素材も特殊だとうかがいました。
小宮:二代目の父(康孝氏)が、丈夫で長持ちするよう、改良した和紙を使っています。物を作るために人ができることには限界がありますが、絹地や糊、染料など素材や道具にこだわることで、一段高みに引き上げることができます。
冨宅:吟味することで、より上質な作品が生まれるのですね。
小宮:また、江戸小紋は型彫り師との分業ですから型彫りの技術を守ることも重要です。
祖父が生きていた頃、古い型紙を売りに来た商人を、祖父は追い返しました。理由は「世の中に型紙を泳がせておけば誰かが小紋をやる。うちはそれを買う金で、新しい型を作る」との思いです。新しい型紙を発注すれば型彫り師の技術が磨かれ、暮らしも潤い、江戸小紋の継承に繋がります。形のないものを次の世代につなげることが、重要無形文化財保持者の本当の使命であり、小宮家の信念です。現在、2人の息子(康義氏と康平氏)が継いでくれていますが、環境を考えると将来の見通しはなかなか厳しいものがあります。
冨宅:これまで作家として嬉しかったことなどはありますか。
小宮:「突彫小紋夫婦連子※」など自身の代表作といえる作品ができたことでしょうか。3cmの間に46本の縞が入る紋様で、型彫りが非常に難しいため、型彫師さんの技術先行で作っていきました。
冨宅:本当に繊細な模様で、大変見事です。
先生にとって美しさとは何でしょうか。
小宮:江戸小紋は細かい紋様の繰り返しで描かれますが、わずかな整いの違いで、着る人を引き立てる柄にもなれば、その逆もある。その差はよくわかりませんが、本物を見て作ると、その場の風や温度、奥行きなどの記憶が作品に反映され、よりよいものができると思っています。結局、人が経験を積んで会得したものが、美しさとして表れるのかもしれません。
冨宅:本物に触れ、本物を知ることが大切なのですね。最後に今後の抱負をお聞かせください。
小宮:祖父が江戸小紋を創業して昨年で110年。その年に父が亡くなりました。今は、私はその技と精神を繋げながら、できることを粛々と続けるのみです。その中で、皆様に着て楽しんでいただけるものができれば、それに越したことはありません。
冨宅:江戸小紋の伝統を伝えるためにも着物を着て楽しむ方が増えることを願わずにはいられません。本日はありがとうございました。

1956年 東京葛飾区に小宮康孝の長男として生まれる。
1972年 父のもとで修業を始める。
1980年 第27回日本伝統工芸展、小紋着尺「木瓜四十本連子」初入選。
1983年 第30回日本伝統工芸展、突彫小紋着尺「組み違い連子」文部大臣賞受賞。
1988年 突彫小紋着尺両面染「立霞入り連子」、文化庁買い上げ。
1989年 第26回日本伝統工芸染織展鑑審査委員。東京国立近代美術館「ゆかたよみがえる」展に出品。
1990年 10周年記念特別ポーラ優秀賞受賞。
1994年 第7回MOA岡田茂吉賞 優秀賞受賞。
2006年 第53回日本伝統工芸展、江戸型小紋両面染「梅」高松宮記念賞受賞。
2007年 第54回日本伝統工芸展鑑審査委員。
2010年 紫綬褒章受章。
2015年 シルク博物館「今に生きる江戸小紋」展開催。
2018年 重要無形文化財保持者に認定。
 
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